大谷翔平は「疲労感」と「疲労」の違いを察知。登板回避に見るセンサーの優秀さ (4ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Taguchi Yukihito

 この難しいハードルをうまく乗り越えるためには、どうすればいいのか。荻野が必要と説くのが、「疲労感」と「疲労」の違いを理解することだ。

「たとえば試合を本当に集中してやると、疲労感が少なくなります。でも、疲労は重なっていく。これをよく把握しておかないといけない。アマチュアの選手と話をすると、連投しているのに『全然疲れていません』と言うんです。それは疲労に気づいていないからで、疲労感がないだけで疲労はしている。壊れない選手は、その"センサー"がめちゃくちゃ優秀です。大谷選手がそうですよね」

 大谷は先発予定を前日に回避することもあるが、リスクを察知する能力に長けているのだろう。それが荻野の見解だ。

 では、そうした感覚はどのように磨いていけばいいのか。荻野が数年をかけて独学で達したのが、「センスを磨く」というアプローチだ。

一部敬称略

第15回につづく

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