パ・リーグの「1番打者」を高木豊が診断。「ダントツで盗塁王を獲れる」選手とは? (2ページ目)
――三森選手は1番としての雰囲気が出てきた?
高木 そうですね。特に「絶対当ててくるだろうな」というような"いやらしさ"を感じます。最初から体を少し開き気味で構えていて、そんなに引っ張るつもりはないけれど、長打が出ている。困ったら反対方向に打てるし、嫌なボールがきた時の"逃げ方"もだいぶわかってきましたよね。
――西武は鈴木将平選手が開幕から1番を務めましたが、23試合出場で打率.202、出塁率.211(6月6日時点。以下同)と低迷。以降は、源田壮亮選手(故障で離脱中)や若林楽人選手など多くの選手が起用されています。その中で1番に適任の選手は誰でしょうか?
高木 適任に近いのは源田ですが、どうしても打率が低いですね。毎年、打率.270くらいですから、出塁率が1割上がったとしても.360~.370。1番を任せるなら、もう少し出塁率を上げたいところです。足は使えますけど、打者としては下位か、バントやエンドランなど"つなぎ"に徹する2番のほうがいいかと。
1番を任せてもいいと思うのは、若林です。昨年、44試合で20盗塁している足が魅力で、ベースランニングもうまい。昨年6月に左膝を手術している影響は気になりますが、ある程度走れるのであれば、間違いなく1番に相応しいのは彼です。
――続いてオリックスですが、昨季に続き、福田周平選手が1番を務めています。
高木 昨季は交流戦で5割ぐらいの出塁率を残すなど、爆発的な力を発揮する時期がありますよね。適任であることは確かなんですけど、安定感はほしい。シーズンごとに成績がまったく違うと、ちょっと困りますからね。
――ときどき1番で起用される佐野皓大選手はどうですか?
高木 足があるのはいいのですが、性格的に1番打者じゃないのかなと思います。長打に魅力を感じているのか、なんとか出塁するというより、「ホームランを打ちたい。振って当たらなかったら仕方ない」という感じに見えてしまうんです。やはり思考が1番に適していないと、出塁率は上がってこないですよ。
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