山本昌が占うセ・リーグの今後。首位・巨人を追撃するのは? 阪神の優勝はまだ可能か? (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Koike Yoshihiro

 今年のドラゴンズは立浪和義新監督になり、ドラフトを除いて補強なしで開幕を迎えました。スタメンを見ると高橋周平がケガで間に合わず、岡林勇希、鵜飼航丞、石川昂弥の3人が名前を連ね、「今年は3人を育成しながら試合をしていかなければいけない」と感じました。

 そのなかで、石川は印象に残るホームランやヒットを打っています。立浪監督は「200打席くらい与える」と言っていますが、その腰の座り方はいいと思います。5、6、7番の阿部(寿樹)、高橋、木下(拓哉)が得点源になっているので、石川が打線の中でどう機能していくか。打点はチームトップですからね。

 高橋が4月29日に戻ってきたと思ったら、大島洋平が右膝に死球を受けて同日に登録抹消となりました。でも、投手陣は柳裕也がいて、大野雄大はちょっと心配ですけど、全体的に安定感があります。高橋宏斗の使い方も中10日以上空けたり、中8日にしたり、落合英二ピッチングコーチがうまくやっています。大きな連敗がないので、終盤まで勝率5割近くでいければ、優勝争いに絡んでくる可能性もあると思っています。

巨人を追撃するのは?

 カープは去年の後半からいい戦いぶりを見せて、今年も好調ですね。開幕投手の大瀬良大地はリーグトップの4勝をマーク。2020年9月に右ヒジのクリーニング手術を受けましたが、僕の経験則では手術から2年経つと馴染んでスッキリするんですよ。今年のピッチングを見ると、全盛期のような内容です。

 一方、森下暢仁のデキがよくないので心配です。それでも、リリーフには栗林良吏、中崎翔太、塹江敦哉、島内颯太郎、黒原拓未ら150キロを連発するピッチャーを揃えています。

 打線では鈴木誠也がいなくなったのは痛いですが、主力が抜けたら誰かが出てくるのがカープの伝統です。坂倉将吾は打率3割以上を残し、内容的にも技術の高さを見せています。西川龍馬は去年もフルシーズン出場しましたが、今年はさらに調子がいいですね。全体的に強さを感じるチームです。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る