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なぜ日体大は次々とプロへ投手を送り込めるのか。元プロの投手コーチが語る「計画登板」の重要性

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Kyodo News

【短期連載】令和の投手育成論 第8回

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 令和の野球界では、選手が「セルフコーチング」できる環境づくりが進んでいる。

 テクノロジーの導入が最たるところで、簡易型弾道測定器「ラプソード」や、バットに着してスイングスピードや軌道を可視化する「ブラストモーション」はアマチュアでも広がっているものだ。

 インターネット上では多くのフォロワーを持つトレーナーがYouTubeに動画をアップし、オンラインサロンでは好きな指導者を選んで学ぶこともできる。

 選手自身で成長する手段が増えるなか、あらためて問われているのが「コーチの役割」だ。

2020年に10勝を挙げたDeNAの大貫晋一2020年に10勝を挙げたDeNAの大貫晋一この記事に関連する写真を見る

選手と一緒に正解を探す

「それは僕もすごく思うところです。いろんな高校にスカウトへ行きながら練習を見たり、話をしたり、ネットを見たりして、『それは投手コーチの役割なんだろうか?』って考えることがありますね」

 そう話すのは、中日で3年間プレーしたのち、2015年から母校の日本体育大学で投手コーチを務める辻孟彦だ。

 辻の就任後、日体大は2018年ドラフト1位の松本航(西武)、同年2位の東妻勇輔(ロッテ)、2019年同2位の吉田大喜(ヤクルト)、2020年同2位の森博人(中日)と投手たちを次々とプロに送り出している。今秋のドラフトに向けては"二刀流"の矢澤宏太が大きな注目を集め、191センチの長身から最速151キロの速球を投げ下ろす勝本樹も将来性を評価される右腕だ。

 就任8年目の辻は、自身のスタイルを「選手と一緒に正解を探す」と表現する。

「学生コーチでもすごく勉強して、ある領域では僕より知識レベルが高い子もいます。でも、経験はそこまでない。だからこそ練習メニューを組ませて、話し合いながら『じゃあ、こうしよう』と一緒にやっていく。選手も同じですね。『これが100%正しい』という方法はないけど、自分たちが正しいと思ったことを一緒に証明していく。その中で指導者は、選手が成長した原因や、故障やうまくいかなかった理由をどれだけたくさん知ることができるかだと思います」

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