なぜ日体大は次々とプロへ投手を送り込めるのか。元プロの投手コーチが語る「計画登板」の重要性 (5ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Kyodo News

 対して、日体大では選手とコーチの"関係性"、さらに一定期間の"計画登板"という二段構えで、選手が痛ければ「痛い」と口にできる環境を整えている。大学3、4年になると辻との関係性も深まり、「このあたりに疲労感がきているけど、あと2日くらいしたら取れると思います」などと詳細な会話をできるようになるという。

 こうした土壌があるから、高校時代に名を轟かせていなかった投手でも大学を経て、プロから高い評価を受けるようになるのだ。

 そのひとりが、昨年のドラフトで、社会人経由で"サプライズ"指名された柴田大地だ。日体大荏原高校時代に甲子園出場経験はなく、日体大では1度も公式戦で投げていない右腕が日本通運を経てヤクルトに3位入団した裏には、大学時代に辻と二人三脚で歩んだ日々があった。

第9回につづく

(一部敬称略)

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