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ソフトバンク三森大貴が6年目のブレイク。恩師は「頑丈な体になったら、とんでもない選手になる」 (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Koike Yoshihiro

 強いチームというのは「アンダースタディ」が必ずいる。いつ出番が回ってくるかわからないのに、いつも準備万全で控えていて、いざ起用されると、レギュラーとなんら遜色のない働きをみせる。まさに、今年の三森がそれである。

ガリガリだった高校時代

 じつは、2016年のドラフトで、三森がソフトバンクから4位指名を受けた時、「ええっ」と声が出るほど驚いた。それほどに、当時の三森は体力的に心もとなかった。

 前年の秋、明治神宮大会に出場した時の三森の姿は、今も鮮烈な印象として残っている。ショートを守って、4番打者。しかし当時で、184センチ、70キロほどの薄っぺらく見えるユニフォーム姿からは、4番らしい威圧感はまるで漂ってこなかった。

 ところが、初戦・東邦(愛知)との試合で三森はセンスを見せた。たしか、左腕の内角ストレートだったと思う。右半身の開きを目一杯我慢しておいて、コマのようにクルッと鋭く体を回転させると、体に巻きついたようなスイングからあっという間にライナーがライトポール下に届いていたから驚いた「ガシャン!」と聞こえたインパクトの衝撃音と、打球スピードがすごかった。

 あの細い体から、どうしたらあの打球になるのか......。

 守備、走塁でも、長い足を生かした大きなストライドで、ワンプレーの輝きをさらにまぶしく見せていた。

「中学の頃から、運動神経とボールの扱いのうまさは抜群でしたね」

 兜森崇朗監督は青森山田中学・高校で、三森の「青春期」をともに過ごした。

「中学の野球部を指導している時に入学してきて、彼が高校2年の秋に、私が高校の監督に移りましたから。当時から野球カンの鋭さやバットコントロールは光ってましたね。バットの重さと長さをうまく利用して、打球を飛ばせる独特なバッティングスタイルを持ってました」

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