佐々木朗希、奥川恭伸、宮城大弥、紅林弘太郎...もはや伝説となった2019年の高校日本代表候補合宿のメンバーがすごすぎる! (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 代表候補合宿参加者のなかでプロに進んだ者もいれば、大学進学・就職した者もいる。社会人に進んだ河野佳(広陵/現・大阪ガス)、林優樹(近江/現・西濃運輸)などは今年で高卒3年目を迎え、ドラフト解禁になる。とくに河野は技術的にも肉体的にも大きく成長し、昨年は日本選手権で優勝投手に輝いた。

 進学組では、細野晴希(東亜学園/現・東洋大3年)が来年のドラフト有力選手に挙がる。ただし、細野は一次候補メンバーに選出されたものの、春季大会を戦っていたため代表候補合宿は不参加だった。プロで華々しく活躍する同期について、細野は「レベルが高いなかでああやって結果を残すのはすごい」と刺激を受けている。

 レベルの高い同世代間の交流は、間違いなくプラスに作用する。代表候補合宿時に佐々木の変化球をほとんど止められなかった捕手の藤田は、その悔しさからキャッチングを猛練習。夏にはチームを甲子園ベスト4に導くほどレベルアップした。

 佐々木や紅林のように、チームは甲子園に出られなくても個人として高いレベルに触れる機会にもなる。コロナ禍が落ち着いたら、また同様の代表候補合宿を開いてもらいたいものだ。

 そして、できれば次は有観客での開催を望みたい。3年前ほど大豊作な世代は稀だろうが、あれだけ贅沢な顔ぶれのプレーが堪能できる場を非公開にしてしまうのはもったいなさすぎる。高校日本代表候補合宿が毎年開かれるような定番のイベントになれば、新たな春の目玉になるのは間違いないだろう。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る