世界を驚かせた二刀流、大スターの引退、前代未聞の不祥事...2021野球界「10大ニュース」 (6ページ目)

  • 紙井昇●文 text by Kamii Noboru
  • photo by Taguchi yukihito,JMPA,Koike Yoshihiro,Ohtomo Yoshiyuki,KyodoNews

今シーズン限りで現役を引退した西武・松坂大輔今シーズン限りで現役を引退した西武・松坂大輔この記事に関連する写真を見る「平成の怪物」「ハンカチ王子」甲子園のスターが現役引退

 高校3年夏の甲子園で球史に残る激闘を演じ、優勝で高校野球を締めくくった2人の甲子園スターが、奇しくも同じ年にユニフォームを脱いだ。

 昨シーズンから古巣の西武に復帰していた松坂大輔は、7月7日に今シーズン限りでの引退を表明。10月19日に本拠地で開催された日本ハム戦で引退試合が行なわれた。試合に先立ち、背番号を「16」から往時に背負った「18」に変更し、最後の舞台へと上がった。

 結果は、横浜高の後輩にあたる日本ハム・近藤健介に対して5球を投じての四球。この試合での最速は118キロだった。引退セレモニーの最後には、イチロー氏が駆けつけ花束を渡すサプライズも。これには松坂も思わず涙を流した。速球で甲子園を席巻し、強気の投球でプロ野球、MLBファンを魅了した「松坂世代」の旗印が万感の思いでマウンドに別れを告げた。

 2006年夏の甲子園で、駒大苫小牧高の田中将大(楽天)と2日間に渡る激戦を繰り広げ、「ハンカチ王子」として一世を風靡した斎藤佑樹も、プロ11年目の今シーズンを最後に引退。プロ1年目に6勝、2年目は5勝を挙げるも、2年目オフの右肩の関節唇損傷、2020年には右肘の内側側副じん帯を断裂するなど、故障に泣かされ続けた。

 今季は、7月12日のDeNAとの二軍公式戦で269日ぶりの実戦登板復帰を果たし、三者凡退に抑えたが、一軍昇格はならず。10月1日に現役引退を表明し、同月17日に本拠地・札幌ドームでのオリックス戦が、引退試合となった。

 7回から登板し、福田周平に7球を投じての四球を与えて降板。引退セレモニーでは、アマチュア時代から"持っている男"と言われてきたことに触れ、「ファンの皆さんを含め、僕が持っているのは、最高の仲間です」と、ファン、チームメイトへの感謝を述べた。引退後は、「株式会社 斎藤佑樹」を設立したと、自身のSNSで公表。第2の人生での活躍も期待される。

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