世界を驚かせた二刀流、大スターの引退、前代未聞の不祥事...2021野球界「10大ニュース」

  • 紙井昇●文 text by Kamii Noboru
  • photo by Taguchi yukihito,JMPA,Koike Yoshihiro,Ohtomo Yoshiyuki,KyodoNews

 新型コロナウイルスはいまだ収束しなかったものの、野球界は東京五輪や大激戦の日本シリーズ、高校野球では2年ぶりに甲子園大会が開催されるなど、大きな盛り上がりを見せた。そこで2021年に野球界で起こった出来事を、スポルティーバが独断と偏見で選出した「10大ニュース」として振り返りたい。

投打「二刀流」の活躍でMLBア・リーグのMVPに輝いた大谷翔平投打「二刀流」の活躍でMLBア・リーグのMVPに輝いた大谷翔平この記事に関連する写真を見る

エンゼルス・大谷翔平「リアル二刀流」でMVP受賞

 メジャー4年目のシーズンを迎えたエンゼルスの大谷翔平が、投打二刀流として真骨頂とも言える充実のシーズンを過ごした。

 打者としては、惜しくも本塁打王こそ逃したものの、打率.257、46本塁打、100打点、26盗塁。投手としては9勝2敗、防御率3.18、奪三振は156まで積み上げるという、二刀流に懐疑的な声を吹き飛ばす活躍ぶりを見せた。

 レギュラーシーズン以外にも、オールスターゲームでは、アメリカン・リーグ側の先発投手を務めるだけでなく、「1番・指名打者」としても同時出場するなど、スター選手が集うメジャーの祭典でも"リアル二刀流"を成し遂げた。

 最終的にはアメリカン・リーグMVPに、史上19人目となる満票で選出。日本人選手のMVP受賞は、2001年のイチロー氏以来2度目で、ポストシーズン進出を逃したチームからの選出は史上4人目、満票での選出は史上初の快挙だった。

 MVP以外にも、各ポジションで最も打撃に優れていた選手に贈られるシルバースラッガー賞を指名打者部門で獲得。ほかにも年間で最も活躍した指名打者を選ぶエドガー・マルティネス賞など、数々のタイトルを受賞した。大谷の活躍を伝える際に使用された「リアル二刀流」「ショータイム」が、今年のユーキャン新語・流行語大賞にも選ばれるなど、まさに社会現象となった。

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