ラミレスの日本シリーズ予想「オリックスの4勝1敗」は外れ。「中嶋聡監督にちょっとした采配ミスがあった」 (2ページ目)
【ブレがなく、完璧だったヤクルト・高津監督采配】
――両監督の采配について、具体的に教えてください。
ラミレス まず、高津監督の采配にはまったくブレがなかった。スターティングラインナップも固定して、シーズン中は古賀優大と併用していたキャッチャーも中村悠平で全試合固定しました。一方のオリックスのキャッチャーは若月健矢と伏見寅威を併用していたことが気になりました。この点は対照的でした。
――オリックスは初戦、第4、6戦が若月捕手で、第2、3、5戦では伏見捕手がスタメン起用されていました。2人で3試合ずつマスクをかぶっていますね。
ラミレス ピッチャーとの相性を考慮した上での起用だと思いますけど、私は伏見のほうがバッティングも好調だったし、リードも冴えていたと思うので、伏見中心のオーダーでもよかったと思います。
――それは、どうしてでしょうか?
ラミレス 象徴的だったのが、東京ドームでの第3戦でした。3対3で迎えた7回表に伏見がフォアボールで出塁した。続く投手の打席で、オリックスベンチは若月を代打に送って送りバント。その後、三番・吉田正尚のタイムリーヒットでオリックスが1点リードしました。そして7回裏、オリックスはピッチャー、キャッチャーをダブルスイッチしました。
――7回裏、マウンドには4番手の吉田凌投手、キャッチャーには若月捕手を起用しました。
ラミレス はい、この場面で伏見が退き、若月がマスクをかぶったんですけど、この回にヤクルト・サンタナの逆転2ランが飛び出して、ヤクルトが勝利しました。明らかにここで流れが変わってしまったと思いますね。この試合にはもうひとつポイントがあります。
――ぜひ教えてください。
ラミレス ヤクルトが5対4とリードして迎えた9回表のオリックスの攻撃の場面です。この回先頭の若月がそのまま打席に入ったときに、まず「ここで代打を出さないのか」と思いました。同時に、「ということは若月の守備をよほど信用しているんだろう」と考えました。
そして、この場面で若月はヒットを打ちます。でも、すぐに中嶋監督はピンチランナーに佐野晧大を起用しました。何としてでも同点に追いつくために俊足の佐野を起用する意図はわかります。でも、だったら、最初から若月のところで代打を出すべきではなかったのか? 結果的にはヒットを打ったけれど、ちょっとチグハグな印象は受けましたね。
2 / 3