2021年外国人選手たちの通信簿。高木豊による4段階評価でセ・リーグは明暗クッキリ (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

阪神【〇】

 シーズン前半から中盤にかけて首位をキープするも、最後はヤクルトに優勝を許した阪神。2年連続でセーブ王に輝いたロベルト・スアレスや、9勝を挙げたジョー・ガンケルをはじめ、野手ではジェフリー・マルテらが一定の活躍を見せた。

「開幕までに助っ人外国人が合流できないチームが多かった中、阪神は開幕当初から揃っていたことが前半の快進撃につながり、首位をキープできていた要因のひとつでした。

 特にスアレスですよね。スアレスまでつなぐことができたら負ける気がしませんでした。安心感は12球団のクローザーで間違いなくトップです。先発は、期待されたチェン・ウェインらが活躍できませんでしたが、ガンケルが9勝を挙げるなどローテーションの一角として十分な活躍を見せました。

 打線もよかったですが、ロハス(・ジュニア)が他の外国人を"巻き込んでしまった"部分があるんですよね。春先のまま、マルテと(ジェリー・)サンズでいっておけばよかったのに、韓国で活躍していたロハスと契約したため、使わないといけない状況になってしまった。そのあたりが余計でしたね。選手を入れ替えざるをえず、マルテとサンズがモチベーションを保つことが難しかったと思いますし、バランスが崩れたことは確かです」

【主な助っ人外国人の成績】
(野)マルテ 128試合 打率.258 22本塁打 71打点 出塁率.367 OPS.818
(野)サンズ 120試合 打率.248 20本塁打 65打点 出塁率.328 OPS.779
(投)スアレス 62試合 1勝1敗1ホールド42セーブ 防御率1.16
(投)ガンケル 20試合 9勝3敗 防御率2.95 QS率65.0

巨人【△】

 エリック・テームズは、初出場の試合で守備時にアキレス腱を断裂して離脱。ジャスティン・スモークは34試合で7本塁打を放つなどまずまずの働きを見せていたが、コロナ禍の影響で家族の来日の見通しが立たずに帰国。打線の中軸として期待された両助っ人外国人が誤算だった。

「テームズやスモークが早々に離脱して、その穴を埋めたのが(ゼラス・)ウィーラー。新外国人選手の"代わり"という立場になって気持ちの持っていき方が大変だったと思いますが、それも踏まえてよくやったと思います。

 投手で及第点だったのは(チアゴ・)ビエイラ。物足りなさはありましたけど、32試合連続無失点記録も作りました。(C.C)メルセデスは東京五輪で好投を見せるなど後半戦は期待されましたが、肝心の優勝争いの時に貢献できませんでした。今季はローテーションの中心として期待されていた(アンヘル・)サンチェスも、不振や故障で年俸に見合う働きはできませんでしたね」

【主な助っ人外国人の成績】
(野)ウィーラー 121試合 打率.289 15本塁打 56打点 出塁率.358 OPS.837
(投)ビエイラ 56試合 0勝3敗1ホールド19セーブ 防御率2.93 
(投)メルセデス 17試合 7勝5敗 防御率3.77 QS率29.4

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