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ヤクルト高津監督がリーグ制覇へ勇気が必要だった決断。勝つために休ませたマネジメント術とCS突破へのキーワードも語った (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

── 選手の健康に神経を使った起用のなかで、先発投手の中5日での登板や、清水投手と抑えのスコット・マクガフ投手の4連投もありました。

「9月の10連戦と、10月の巨人、阪神との6連戦が勝負どころだと思っていました。『絶対にいい形で乗りきろう』『すべてを出しきって戦おう』と決めていたんです。あそこでつまずくと絶対に優勝できなかったでしょうし、逆にいい結果を残せれば優勝できると思っていました」

── 結果的に10連戦は7勝3分け、巨人、阪神との6連戦は5勝1敗と優勝に大きく近づきました。

「いちばんは負けなかったことが大きかったですね。選手にはちょっと無理をさせてしまいましたが、あれはできすぎでした」

── 常々「目の前の1試合」とコメントしていましたが、しっかり先も見据えて戦っていたという印象です。

「そうですね。キャンプの頃から10月、11月のことは考えていましたし、シーズン前半戦でも後半戦のことを考えていました。『そんな先の予定まで』というところまで、自分の頭のなかではイメージしていました」

── 選手たちには「各々の役割を明確にしてあげたい」とも言われていました。

「ベンチに控えている選手がどのタイミングで準備すればいいのか、どのタイミングで起用されるのか、ゲームに入りやすい環境をつくることが大事なことですからね。その指示はヘッドやコーチをとおしてなるべく早く伝えたつもりで、リリーフの投手たちに対しても一緒です」

── 監督としての役割については、どのように理解されていましたか。

「決断と判断に尽きると思います。それもパッパッと決断する必要がある。僕が"1"迷うことで、その迷いがコーチには"3"になって伝わり、選手には"5"になってしまう。もちろん迷ったことはたくさんありましたが、そこは見せないです(笑)」

── 決断という面では、先発だった田口麗斗投手とアルバート・スアレス投手をシーズン後半からブルペンに配置転換されました。

「ブルペンに左投手がいなかったので、田口のリリーフにはそれほど決断はいりませんでした。スアレスは外国人枠の関係などでちょっとためらいはありました。結果的に2人がブルペンの厚みを増してくれたので間違った選択ではなかったと思います」

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