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レジェンドOB岩瀬仁紀が2021年の中日を総括。「負けているのにベンチで笑顔が見られるなんて...」 (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

---- 岩瀬さんが楽しみにしている新戦力は誰でしょうか?

「野手なら根尾昂、岡林勇希、石川昂弥といった若手が出てきてくれないと、現状の打線では正直言って厳しいです。投手陣はある程度は整っていますが、先発もリリーフももう1〜2人、イキのいい存在が出てきてもらいたい。昨年のドラフト1位・高橋宏斗にも期待したいところですが、現実的にはもう少し時間がかかりそうです」

---- 今季は残念な出来事もありました。岩瀬さんが「投げるボールは一級品」と期待を寄せていた木下雄介さんが、8月に急逝する悲劇がありました。

「そうですね......。雄介は本当に『これからだ』というところでした。わかっていても打てない真っすぐを投げられる。そんな投手になる可能性は十分にありました。はまった時に落ちるフォークもあって、三振も奪えました。こういう形で亡くなってしまって、本当に残念です」

---- また、投手陣を支えてきた山井大介投手は、43歳にして現役引退を決意しました。引退会見では、岩瀬さんとの完全試合リレーについても述べていましたね。

「彼とは自主トレも一緒にやっていましたし、思い出もたくさんあります。本当なら最後はああいった形ではなく、戦力としてチャンスを与えてほしかったなと感じます。あの年齢でファームのローテーションを守って(19登板、7勝5敗、防御率3.94)、ケガで投げられないわけじゃなかったので」

---- やはりファンとしては、2007年の日本ハムとの日本シリーズ第5戦での完全試合リレーが印象深いと思います。

「そうでしょうね。ものすごい重荷を背負ったマウンドでした」

---- その後、山井投手と当時の話をすることはあったのでしょうか。「なんで最後まで投げないんだ」とか。

「そうですね。『なんで投げないの?』と言ったこともあります。『そんな変なところで気を遣うな』と(笑)」

---- 一説によると、山井投手が血マメを潰して投げられなかったとか。

「マメを潰したのはそうなんですけど、その状態で8回まで投げていたのだから、最後まで投げられたはずなんです。あいつは肝心なところで気を遣わないのに、そういうところで気を遣うヤツなんですよ(笑)」

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