今季の助っ人MVPは誰か?【セ・リーグ編】。DeNA最下位でも三冠王なら... (2ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Jiji Photo

 序盤戦からペナントレースを牽引してきた阪神では、打者では主に3番一塁のジェフリー・マルテが109試合で打率.274、20本塁打、66打点、5番左翼のジェリー・サンズが120試合で打率.248、20本塁打、65打点と機能し、8月末までの首位快走の立役者になった。投手では来日2年目右腕のジョー・ガンケルが17先発で8勝3敗、防御3.28と好調を維持し、先発陣の一角を支えている。

 ただ、その活躍もロベルト・スアレスの守護神としての安定感には敵わない。2019年かぎりで4年在籍したソフトバンクから戦力外となったスアレスは昨季"タテジマ"に袖を通すと、シーズン途中の7月からクローザーに定着して最多セーブのタイトルを獲得。今季はシーズン当初から守護神として存在感を発揮し、52試合の登板で1勝1敗35セーブ、防御率1.40と抜群の成績を残している。

 一方、昨季の最下位から飛躍を遂げたヤクルトでは、内野手のホセ・オスナは99試合で打率.284、12本塁打、54打点。外野手のドミンゴ・サンタナは96試合で打率.268、12本塁打、44打点。新外国人2選手が村上宗隆、山田哲人、青木宣親を打線でつなぐ存在として重宝されている。

 投手陣では阪神スアレスの兄であり、来日3年目のアルバート・スアレスが先発陣の一角として活躍。15試合13先発で5勝3敗、防御率3.74と奮闘している。

 ただ、助っ人MVP候補ならばスコット・マクガフだろう。シーズン途中に不振の石山泰稚に代わってセットアッパーから守護神に抜擢され、55試合に登板して2勝2敗14ホールド24セーブ。奪三振率も11.31と高く、ピンチの場面でも三振で切り抜けるシーンが目立つ。

 この2チームを追うのが、現在3位の巨人。リーグ3連覇がかかっているシーズンだけに、巨人の新外国人打者には大きな期待が寄せられていた。しかし、スイッチヒッターでMLB通算196発のジャスティン・スモークは希望していた家族の来日が叶わず、6月に契約解除で巨人を去る。

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