パ・リーグの優勝争いは楽天が本命も「ロッテが一番面白い」。高木豊が後半戦を占う (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

――チーム成績を見ると、(8月22日試合終了時点)で得点と盗塁がリーグ1位、チーム打率と本塁打はリーグ2位と打撃面は好成績を残しています。

高木 得点パターンのバリエーションが多いことの証明ですね。昨年までは得点力が課題で、四球を多く取ったりしてチャンスは作るんだけど、点がなかなか入らなかった。今年はその課題をクリアしています。一方で投手陣がよくないんですけど。

――相手から見てマークすべきバッターは誰になりますか?

高木 やはりマーティンとレアード、そして荻野(貴司)です。アメリカに一時帰国したマーティンはまだ1軍に合流していませんが、彼らが機能している間は勝っていけると思います。角中(勝也)みたいなしぶとい打者もいるし、中村(奨吾)も渋い働きをします。個々が特別にすごいというわけではないんですけど、本当に真摯に仕事をしてくれるというか。そういう選手が揃ってますよ。チームとしてのバランス、柔軟性はロッテが一番いいと思いますし、チャンスはありますよ。

――少し離された、5位の西武の状態はどう見ていますか?

高木 打線は、打たなきゃいけない山川(穂高)の状態が上がってこない。秋山(翔吾)がメジャーに行ってから、全体のバランスが崩れているように感じます。

 投手陣は四球が多くて、ランナーを溜めてホームランで返されるといった場面が多いです。あと、なんて言うんですかね......現GMの渡辺(久信)しかり、工藤(公康)しかり、昔の西武には投げっぷりがよくて制球力も優れていたピッチャーが多かったのが、今はそういう投手が出てこないですね。

 今井(達也)などは150km台中盤の球速がありますが、簡単に打たれる時が気になります。ハマれば抑えるんだけど、そうじゃなければ打たれる。安定感に欠けますよね。調子が悪い時に耐えられるピッチャーがいない今年は、苦しいと思いますよ。

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