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DeNA牧秀悟、「プロの壁」からのV字回復。不振を救った先輩3人の貴重なアドバイス (4ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Getty Images

「坂本勇人選手と鈴木誠也選手です。同じ右バッターで、タイプ的にも似ているかなと思っているので、タイミングの取り方とかいろいろ参考にさせてもらっています」

 牧がインコースを巻き込むようにして回転して打つ様は坂本のそれに似ていて、抜群にうまい。打率を上げ、チャンスで打つためにどんな球もヒットにしたいという気持ちが牧のバッティング技術を高めている。後半戦に入り、さらに打てるゾーン、コースが広がれば、打てるバッターから「怖いバッター」になれる。

そうすればシーズンの後半、欲しいものに手が届くかもしれない。

牧が欲しているのが、人生で1度しか取れない新人王だ。ただ、今年は広島の新守護神として活躍する栗林良吏を始め、ライバルが強力だ。とりわけ、本塁打を量産し、強いインパクトを残している佐藤輝明(阪神)は、最大のライバルになるだろう。

「新人王を狙えるのは今年しかないので、狙っていきたいです。佐藤選手は正直、すごいなぁって思います。タイプは違いますけど、打率を残していますし、チャンスにも打っている。ホームランも20本打っていて、長打力が魅力的で本当にいい選手です」

 今はライバルだが、大学時代はほとんど話をしたことがなかった。お互いにプロになり、試合で顔を合わすようになると会話が増えていった。試合前のアップの時には、牧と佐藤が談笑しているシーンが映像で流れることがあった。

何を話しているのか、気になるところだ。

「話ですか? 打撃の話とかはしないですね。普通に、最近どう?みたいな感じです(笑)」

 今はコロナ禍の影響で試合後に会って交流を深めることができないが、コロナが終わればピッチの談笑のつづきが食事会などで行なわれるかもしれない。これから互いに良きライバルとなって球界を盛り上げていくだろう。

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