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DeNA牧秀悟、「プロの壁」からのV字回復。不振を救った先輩3人の貴重なアドバイス (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Getty Images

 その状態をなんとか打開しようと牧はチームメイトの先輩たちに話を聞いた。佐野恵太は親身になって話を聞いてくれた。

「佐野さんは、打てないとけっこう引きずるタイプらしいんですが、『その日のことはその日で終わりにして、次の試合では自分らしいバッティングができるように切り替えていけばいい』と教えてくださったんです。自分も打てないことが続くとけっこう引きずってしまうので、佐野さんの言葉は大きかったですね」

 また、牧が調子を落とした頃、コロナ禍の隔離期間を経てチームに戻ってきたオースティンにも打てなくなったことについて話を聞いてもらった。するとオースティンは笑顔でこう言ってくれた。

「お前は大丈夫だよ。いいバッターなんだから自分を信じていけ」

 その言葉を聞いた牧は、嬉しさがこみ上げて、「ありがとうございます」と頭を下げた。

 宮﨑敏郎からは、プロとしての生き方に繋がる言葉をかけてもらった。

「宮﨑さんには、『まずは自分のかたちを大切にしないとダメだよ』と言葉をかけていただきました。長いシーズン、迷う時もあるし、調子が落ちる時もあるんですが、『どんなに悪くなっても自分のかたちを忘れないようにすれば、必ず良くなる』とおっしゃってくださって‥‥。その言葉を今も大事にプレーしています」

 6月、交流戦に入ると牧が打率322、8打点、2本塁打と再び打ち出し、V字回復を実現した。自分のバッティングを取り戻したのは先輩やチームメイトの優しい声や友人たちのサポートが大きいが、研究熱心な牧自身の取り組みも非常に大きい。牧は、データを活用している。

「自分は、ルーキーなので、相手チームにどんなピッチャーがいて、どんな球を投げてくるのか、わからないので、ピッチャーのデータを活かして打席に入っています。その中で大事にしているデータは、右バッターの時に、どんな球を投げてくるのか、ですね。あと、映像でそのピッシャーが投げる球を確認しています。そうして頭に入れておくと、ある程度対応できるようになります」

 牧は、さらに対戦データを記録するバッティングノートをつけている。

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