「いつか息子にチャーハンを...」。家族と離れ、異国でプレーする助っ人たちのあっぱれな心意気 (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

 神宮球場ではヤクルトが得点するとファンが傘をひらく独特の応援があり、人気マスコットの「つば九郎」もいる。

「アンブレラはとても楽しい光景ですよね(笑)。日本は熱心なファンが多いです。雨のなかでも最後まで応援してくれるし、負けてもいつも励ましてくれる。とても元気をもらっています。つば九郎は、毎日一緒に戦っていますし、チームメイトという認識ですね」

 オスナはここまで61試合に出場し、打率.315、9本塁打、33打点と5番打者としてチームの期待に応えている。

「チームがリーグ優勝を目指しているので、勝利に貢献できるプレーをしたいですし、個人的にはホームランと打点を今までより早いペースで積み重ねていきたい。スワローズに入ったことは、正しい選択だったと思っています。

 家族が日本に来ることになったら、僕が神宮で野球をする姿を見てほしいですね。休みの日は、妻は寿司が大好きで、息子はチャーハンが大好物なのでおいしい店を探して連れて行きたいですね(笑)。その日が来るのをすごく楽しみにしています」

 ヤクルトの指揮を執る高津臣吾監督は、現役時代にアメリカ、韓国、台湾といった異国でプレーした経験を持つ。コロナ禍のなか、来日している外国人選手にはこんな思いを抱いている。

「今年は家族とも離れてやっていかなければならない状況ですし、試合が終わって家に帰っても話し相手がいない。そうした経験は初めてでしょうし、寂しさや辛さは僕らが思っている以上にあるのかなと感じています。プライベートには立ち入ることができないので、グラウンドで彼らが日本の野球を思い切り楽しめる環境を整えてあげたい。そういう思いでやっています」

 外国人選手が不安なくプレーをして、いつか日本の文化を満喫できる日が訪れることを、ただただ願うばかりである。

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