アテネ五輪、台湾戦で日本ベンチに迫られた重要な決断。高木豊は中畑清に「わざと負けますか?」と聞いた (4ページ目)
――オーストラリア戦に敗れた翌日のカナダ戦で勝利して、日本代表は銅メダルを獲得。日本へ帰ってきた時は、成田のホテルで長嶋監督が出迎えるシーンがありました。
高木 長嶋監督には、やっぱりお土産として金メダルを持って帰りたかった。「よくやった。ご苦労さん」という言葉をかけてもらいましたが、申し訳ないという気持ちが強くて、あまり顔を見ることができませんでした。
表彰台でキューバの選手たちが金メダルをかけられた瞬間、「やはり、金じゃなきゃダメだ」と思いましたよ。輝きが違いました。選手たちも僕と同じことを感じたのか、日本に帰ってきて出迎えられる時に、全員がメダルを外していましたね。
そのあとにまた国際大会に出た選手もいますが、戦いが終わった直後は「もう二度とやりたくない」って、みんなが言っていました。「でも、時間が経ったら、この緊張感をもう一度味わいたいと思うんじゃないの?」と聞いたりもしましたが、「いや、もう二度と嫌です」と(笑)。コーチの僕も嫌でしたね。それだけ、野球人生でプレッシャーを一番感じた大会でした。
■元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア
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