絶賛売り出し中の若手投手12人を山本昌が徹底分析。新人王、2ケタ勝利も狙える (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

早川隆久(楽天/1年目・22歳/左投左打/2020年ドラフト1位)
4試合/2勝2敗/防御率2.10

 早稲田大時代の投球は、ドラフト候補のなかでも頭ひとつ抜けていました。昨秋に実際に対談させてもらって、思考力や人間性にもうならされました。ここまで技術を語れる大学生は今までいませんでした。ボールの走り、角度、試合のまとめ方とどれをとっても間違いなく一級品です。

 プロではオープン戦で打ち込まれた試合があり、開幕後も少し壁に当たっていますが、彼なら乗り越えられるはず。大学では高めの甘いボールで空振りやファウルが取れても、プロは見逃してくれません。打たれるなかで学び、覚えていくことが何より大事です。相変わらずすばらしいボールを投げているのですから、自信を持って長いシーズンを戦ってほしい。そうすれば、高い確率で宮城くんたちと新人王を争えるはずです。

鈴木昭汰(ロッテ/1年目・22歳/左投左打/2020年ドラフト1位)
4試合/0勝1敗/防御率2.35

 個人的に常総学院高時代から高く買ってきた左腕です。法政大を経由してドラフト1位でプロ入りし、開幕から活躍している姿を見て自分の目に狂いはなかったと安心しました。腕の出る位置がよく、ストレートは走るしチェンジアップのような縦の変化球も投げられる。低めに集める意識と技術もあり、ある程度計算が立つ投球をしています。

 しかも、プロに入って何かつかんだものがあるのでしょう。大学時代より明らかにボールの走りがよくなっています。レベルがワンランク上がり、今や早川くんと遜色ない投手になっています。宮城くん、早川くんと新人王を争うだけの力は十分にある。プロで勝てる投手として、順調に階段を上がっているように感じます。

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