絶賛売り出し中の若手投手12人を山本昌が徹底分析。新人王、2ケタ勝利も狙える

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

 プロ野球が開幕してまもなく1カ月になる。今年はコロナ禍の影響で新外国人の来日が遅れたチームもあり、早くも新戦力の台頭が目立っている。とくに活躍が際立つのは、若手有望株の多い投手である。そこで50歳まで中日で現役生活を続け、通算219勝を挙げたレジェンド・山本昌氏が投手のニューフェイスを徹底分析。大物ルーキーから支配下登録を勝ち取った元育成選手まで、その投球メカニズムを解き明かした。

オリックスのローテーション投手として活躍する2年目の宮城大弥オリックスのローテーション投手として活躍する2年目の宮城大弥宮城大弥(オリックス/2年目・19歳/左投左打/2019年ドラフト1位)
4試合/2勝0敗/防御率1.26(4月19日現在、以下同)

 彼が「山本昌さんのようになりたい」と言ってくれていると聞いて、非常にうれしいです(笑)。宮城くんのいいところは、何よりも腕の振りにあります。ストレートも変化球も、しっかりと腕を振って投げられる。下半身や体幹部のブレは小さいのに、腕はすごく大きく動いています。体の力をリリースに集約する能力に長けているのでしょう。この投げ方なら、打者は球速表示以上にストレートが速く感じられるはずです。

 スライダー、カーブ、チェンジアップと変化球をとても上手に扱えますし、コントロールもいい。あとはスライダーのキレがいいだけに、扱い方には注意してもらいたいですね。スライダーが得意な投手のなかには、無意識のうちに手首が寝るようになってストレートの球威が落ちてしまうケースがあります。スライダーを『曲げよう』と投げるのではなく、今まで通り『切る』感覚で投げていれば問題ありません。

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