斎藤隆が佐々木朗希と奥川恭伸を分析。「左足の使い方が天才」「なんだ、その能力は!」 (4ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

 現在19歳の佐々木が23、24歳になった時、大谷を超えるようなスケールを身につけているのか。そのうえでポイントになるのが、育成方法だ。

 昨季は一軍に帯同し、機を見て二軍の施設で練習した。異例の育て方には、賛否両論が聞こえてくる。「投げなさすぎ」や「特別扱いしすぎ」という声は、決して少なくない。

 では、斎藤氏はどう見ているのか。

「投げたい気持ちを沈めながら、しっかりと先を見させることが重要です。そういう意味で一軍に帯同させたのは、目から刺激が入るし、イメージトレーニングとしてプラスになった可能性がある。一軍のバッターはこの球をこうやってヒットにするのかとか、この球なら抑えられるのかとシミュレーションができるし、投げられないストレスが半減したかもしれません」

 佐々木にとってルーキーイヤーの昨季は、まだ投げ込む段階ではないと球団は判断したのだろう。1年を重ねた今季、実戦でどれだけのイニング数を投げ、体を作っていくのか。そのビジョンにより、佐々木の置かれる環境も変わっていく。

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 大型右腕の将来を見据え、斎藤氏はこう結んだ。

「ここまでは、あくまで素材としてのすごさです。大谷翔平というピッチャーもそうですが、僕らは1年間まともに見ていません。佐々木に至っては、シーズン中に投げている姿をまだ見ていない。ここからどう変わっていくのか、しっかり見ていかないといけないですよね」

 果たして"令和の怪物"は、4、5年後、プロの世界でどれほどスケールの大きな投手になっているのか。楽しみな一歩目は、これから踏み出される。

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