佐々木朗希の実戦初登板で元チームメイトが感じた伸びしろ「余力がある」
2021年3月12日に行なわれた中日とのオープン戦で、2019年ドラフト1位でロッテに入団した佐々木朗希(ロッテ)がプロ入り初の実戦登板を果たした。1イニングを投げ、最速153キロの速球を中心に京田陽太、阿部寿樹、ビシエドを三者凡退。その投球内容は、昨季限りで現役引退した元投手の目にはどう映ったのか。2003年ドラフト1巡目でロッテに入団して通算308試合に登板、昨季は佐々木と"チームメイト"だった内竜也氏に聞いた。
中日とのオープン戦でプロ初の実戦登板を果たしたロッテ・佐々木朗希── 佐々木投手の中日戦の投球を見て、率直にどう感じましたか。
「まずはケガなく投げ切れたのがよかったと思います。しっかりストライクも入っていましたし、抜ける球もほとんどなく、コースにも投げ切れていました。変化球を1球しか投げなかったのは、キャッチャーの田村(龍弘)が真っすぐ主体で投げさせたからだと思います」
── 全12球のうち11球が速球で、やや高めが多かった印象です。
「しっかりスピンが効いた球でした。2番の阿部選手には3ボール1ストライクから『絶対真っすぐが来るだろう』という場面で差し込んでショートゴロ。続くビシエドもバッティングカウントのストレートがファウルになっていました。真っすぐに関しては、力強い球を投げられていると感じましたね」
── わずか3人との対戦でしたが、才能の片鱗を感じられる部分はありましたか。あるいはまだ途上で、これから見えてくるのか。
「見る人がどれだけの基準で求めるかで変わりますよね。僕は去年の2月、石垣島のキャンプで初めて佐々木くんのキャッチボールを見て衝撃を受けました。真後ろから見たのですが、浮き上がるような球筋で、そんなボールを投げる投手はロッテにはいませんでしたから。『これはすごい選手が入ってきた』と衝撃を受けました。
だから今回の中日戦は『佐々木朗希はすごいな』という投球を期待していたので、あの時の衝撃に比べれば『こんな感じか......』という内容でした。でも、そういうイメージを持たずに見れば、高卒2年目の19歳であれだけの球を投げるのは本当にすごいと思います。ほぼ真っすぐだけで、一軍の主力を抑えましたからね」
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