立浪和義が選ぶ「現役最強セカンド」。次世代スター候補2名の名も挙げた

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

『特集:We Love Baseball 2021』

 3月26日、いよいよプロ野球が開幕する。8年ぶりに日本球界復帰を果たした田中将大を筆頭に、捲土重来を期すベテラン、躍動するルーキーなど、見どころが満載。スポルティーバでは2021年シーズンがより楽しくなる記事を随時配信。野球の面白さをあますところなくお伝えする。

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 今季の春季キャンプで中日の臨時打撃コーチを務めた立浪和義氏。現役時代は、22年間で2480安打を積み上げ、史上最多の3ポジション(ショート・セカンド・サード)でゴールデングラブ賞を計5度獲得した。その3ポジションの中では、セカンドでの出場がもっとも多かった(1148試合)が、そんな立浪氏に"現役最強"のセカンドについて聞いた。

侍ジャパンでも活躍する楽天の浅村栄斗(左)とヤクルトの山田哲人(右)侍ジャパンでも活躍する楽天の浅村栄斗(左)とヤクルトの山田哲人(右)──立浪さんが、現役最強のセカンドを選ぶとしたら誰になりますか?

「守備だけに限れば、間違いなく広島の菊池(涼介)選手でしょう。打率3割を超えた2016年(.315)以降はバッティングで苦しんでいるように感じますが、守備面は現役選手の中ではスバ抜けています」

──あらためて、菊池選手の守備について解説をしていただけますか?

「脚力を生かした守備範囲の広さはもちろん、ハンドリングもうまい。さらに、どんな体勢からも投げられる肩の強さがある。苦もなくダブルプレーもとれますし、彼の最大の武器かもしれません。守備範囲が広いと、もう少しで打球に届かずにはじいてしまうこともあるんですが、昨シーズンのエラーはゼロですから驚異的です。前に井端(弘和氏)とも話したことがあるんですが、あれだけ肩が強いとショートでのプレーも見てみたくなりますね」

──逆に、打撃だけに絞ると誰になりますか?

「昨シーズンの成績から判断するならば、楽天の4番を打つ浅村(栄斗)選手です。打率.280、104打点も立派ですが、過去にも長距離打者が少ないイメージがあるセカンドでホームラン王を獲得(32本塁打)したことも評価できる点ですね」

──では、攻守トータルで考えると誰になりますか?

「やはり、ヤクルトの山田(哲人)選手になりますかね。守備に関しては、浅村選手も含めて少し不安がありますが、山田選手はトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を3度も達成したように、走力があるところも考えると、総合的には浅村選手を上回ると思います。ただ、昨シーズンに限ると、山田選手は調子が悪かったので難しいところではありますが......」

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