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「頭を下げる」常識からの改革。ダイエーとオリックスがパのビジネスを変えた (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

――参考にした取り組みなどはありましたか?

「例えば、神戸の市営地下鉄の車両に、オリックスのマスコットのペットマークがついていたんです。それを見たロッテ球団職員時代の僕は、『市営地下鉄はオリックスの持ちものではないから、市民の方々に応援してもらうために、頼み込んでつけてもらったんだろうな』と思ったんですが、オリックスの関係者に聞いたら『市営地下鉄から肖像権を取っている』と言うんですよ。

 頭を下げて"やってもらう"のがそれまでの常識だったんですが、お金をもらっていることに驚きました。そういうものをパ・リーグに持ち込んだのがオリックスと、ダイエーもそうでしたね。大阪から福岡ドームに移転した時から地域のファンを獲得するためのサービスをやってきて、今では連日超満員ですから。そういった経営の安定、地元での盛り上がりが人気選手の入団にもつながり、チーム力アップに大きく影響していると思います」

――地域密着の観点で見ると、パ・リーグのチームが全国各地に分散していったことが大きな動きでしたね。

「首都圏だけでも日本ハム、西武、ロッテがあって、本当の意味でのフランチャイズを確立できていませんでした。セ・リーグの人気に対抗できるのは西武くらいでしたが、2008年に球団名に『埼玉』とつけて地域密着感を押し出すようになりましたね。

 ロッテについては、ファンの方たちから『ファンサービスが地域密着でいいね』と言われ始めたのは2000年頃でしょうか。僕も球団職員としてそれに関わっていたので、ノウハウを取り入れようとするいくつかのセ・リーグ球団から呼ばれて、いろいろなアドバイスをさせていただきました。ヤクルトさんには、『(東京には巨人があるため)東京ローカルでいきましょうよ』と言ったんですが、最初は頭から否定されて。それでも2006年に『東京ヤクルト』と地域密着型の球団として動き出し、それから来場するファンも増えたように感じます」

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