投手なのに敬遠、3連続本塁打の選手など。打撃もヤバかった投手たち
2012年に巨人が日本一に輝いたのを最後に、日本シリーズでパ・リーグ球団の後塵を拝しているセ・リーグ(2012年は巨人が日本ハムに4勝2敗)。2019年から2年連続でソフトバンクに4連敗し、日本一を逃した巨人の原辰徳監督が「リーグ間の実力格差」を埋めるために提唱を続けているのが、DH制の導入だ。
2002年6月の横浜戦の延長11回、代打で登場して決勝打を放った桑田真澄 セ・リーグ各球団の慎重論も根強く、2021年シーズンについては見送られることになったが、今後も議論は継続されていくだろう。DH制のメリットとしては、チームの打撃力の強化、投手が投球に専念しやすくなることなどが挙げられるが、セ・リーグでは野手顔負けの打撃成績を残した投手も多い。
2020年のセ・リーグ投手の打撃成績を見ると、シーズン最多安打は6本で、田口麗斗(巨人)、福谷浩司(中日)、高梨裕稔(ヤクルト)、森下暢仁(広島)、遠藤淳志(広島)の5名が記録している。本塁打を放ったのは大瀬良大地(広島)と、西勇輝(阪神)の2名で、奇遇なことに両投手とも開幕戦でアーチを放った。さらに西は、投手で最多の7打点。DHがあるパ・リーグ出身ながら、打撃でも結果を残している。
また、打席数が少ないとはいえ、野手顔負けの打率.333(12打数4安打)という成績を残した梅津晃大(中日)も興味深い。昨シーズンは7試合に登板したが、登板機会が増えれば打撃成績をさらに伸ばす可能性を秘めている。
通算記録に目を移すと、歴代のエースが上位に名を連ねている。
もっとも多くの本塁打を放ったのは、通算400勝を挙げた金田正一だ。実働20年で406安打、38本塁打という成績を残した金田は、投手でありながら敬遠されたり代打で起用されたりと、打撃に関するエピソードも枚挙にいとまがない。
その金田と共に巨人のV9を支えた堀内恒夫も、実働18年の選手生活で174本の安打、21本塁打を記録している。
1 / 3