石原慶幸×ジョンソンの日米最強バッテリー。
ふたりが「運命」を感じた日 (2ページ目)
ジョンソンは、石原との信頼関係を「1」という数字で表現できると言う。
「1試合でイシが出すサインに首を振るのは、多くて1回だけです。僕はイシの配球に対してものすごく信頼していますし、逆にイシは僕の投球を信頼してくれています」
首を振る回数は、互いの信頼感を図るうえでわかりやすい数字だが、それ以上にジョンソンを驚かせたことがあった。
「次の投球を考えてグラブのなかでボールの握りを調整していると、イシがその握りのサインを出すことがびっくりするほど多くあるんです。たとえば、次はカーブかなと思って握っていると、イシもカーブのサインを出している。それぐらい一致しているなら、自信を持って投げることができます」
昨シーズン、ジョンソンは27試合に登板して、そのうち石原がマスクを被ったのは26試合。出したサインに対してジョンソンに首を振られたのは10回ぐらいだったと石原は言う。
「ほかのピッチャーと比べたらすごく少ないです。首を振った時も、次の球種はだいたい一致します。ジョンソンは日本の野球をすごく勉強していて、彼自身『こうしたほうがいいんじゃないか』と思っている部分はあると思います。それをこっちが感じ取ったり、反応を見ながらサインを出すことはあります。ジョンソンがそうやって勉強しながら投げてくれるのはいいことだと思います」
そうしたふたりの信頼関係は年を重ねるごとに増し、昨シーズン起きたひとつの出来事でさらに深まった。
ジョンソンは開幕から不振に陥り、4月は5試合に先発して1勝3敗、防御率7.20。なかでも4月28日のヤクルト戦は3本の本塁打を浴びるなど4回3失点で3敗目を喫した。1試合3被弾は来日して初めての屈辱だった。
「悔しかったです」とジョンソンが胸中を明かす。
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