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オリックスのジョーンズが誇る1本の
バント。監督も絶賛した判断と献身性 (4ページ目)

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • photo by Hosono Shinji

 本来なら、5月26日から横浜スタジアムでDeNAとオリックスの交流戦が行なわれるはずだった。しかし、新型コロナウイルスの影響で交流戦は中止。通算282本塁打のスラッガーの挑発に、日本プロ野球記録となる1632連続守備機会無失策記録を持ち、5度のゴールデングラブ賞を誇る名手がどう対処するのかを楽しみにしていたのだが......。

 とはいえ、いくらジョーンズがバントを受け入れているとはいっても、オリックスが求めているのは長打力であり、勝負強さである。

「もちろん私の仕事は打点を稼ぐことです。でも、日本の投手はレベルが高いですし、初めて対戦する相手がほとんど。簡単な仕事ではないと思っています。ただ、バットを持っている以上、その武器を最大限使うつもりです。長打を放つことは目標のひとつで、そのなかにホームランという究極の結果があります。ホームランにこだわっているわけではありませんが、それがどれだけ重要で効果的であるかは理解しています」

 ジョーズはこれまでのプロ野球人生で、1つのサヨナラバントに対して、サヨナラホームランは3本を誇る。しかし、「心に残るホームランはどれか」と尋ねると、この3本のサヨナラホームランではない1本を挙げた。

 2013年7月7日、ニューヨークでのヤンキース戦。0対1とリードされた9回表、ヤンキースのマウンドには守護神であるマリアノ・リベラが上がった。メジャー記録の通算652セーブを挙げ、史上唯一、満票で殿堂入りしたメジャー最高のクローザーだ。一死一塁の場面で、オリオールズの4番・ジョーンズが打席に入った。

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