オリックスのジョーンズが誇る1本の
バント。監督も絶賛した判断と献身性 (3ページ目)
打席に入ったジョーンズは、マリナーズの三塁手が深い守備位置をとっていることに気づいた。そしてカウント1ボールからの2球目、ジョーンズは三塁方向に見事なバントで打球を転がした。
三塁手は慌ててダッシュし、素手で打球を捕ろうとしたが捕り損ね、三塁走者が生還してオリオールズがサヨナラ勝ちを収めた。
試合後、オリオールズのバック・ショーウォルター監督(当時)は、ノーサインでバントをしたジョーンズをこう称えた。
「すばらしいです。賢い選手が賢い判断をして勝利した。本当に満足な勝利でした。あの状況でやるべきことは、三塁ランナーをホームに還すことです。ジョーンズがとった作戦はすばらしかった」
あれから10年──ジョーンズにあの時のサードは誰か覚えているかと聞くと、すぐさま「ロピ」と答えた。「ロピ」とは、現在、横浜DeNAでプレーしているホセ・ロペスである。
ジョーンズとロペスは、マリナーズのマイナー時代に一緒にプレーした経験があり、今でも親しい関係を続けている。そのロピは、今はサードではなくファーストを守っていることを伝えると、ジョーンズは次のように言った。
「試合ができることを楽しみにしています。『おい、覚えているか』と叫びながら、一塁側にバントしてみよう(笑)」
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