給料未払いで裁判、GM逃亡...無名の
日本人投手が体験した海外リーグの現実 (7ページ目)
不遇の連続に普通の人間なら心が折れそうなものだが、安井はあきらめなかった。そして昨年、ついにグアテマラへとたどり着いた。
グアテマラと聞いてピンとくる人は少ないだろう。メキシコの南に位置するこの小国に、一昨年の冬、プロ野球が立ち上げられたのだが、1シーズンもたずに解散。それでも昨年、別の起業家が新たにリーグを発足させた。安井はこのグアテマラリーグに所属するロボスと契約し、ここでも「初の日本人選手」として、現地の野球史に名を残した。
成績は3勝3敗、防御率7.49と胸を張れるものではなかったが、先発も数試合経験し、シーズン後には今年のプレーも打診された。安井は言う。
「自分はエンターテイナーだと思っているんです。お客さんが見たら、すぐに『ああ、日本人のあいつだ』とわかる。そういうプレーをする自信がいまだにすごくあるんです」
現時点で、今シーズンのプレーがどうなるかはわからない。それでも安井は、今日も愛犬と一緒に河原でトレーニングを続けている。
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