「10分ブルペン」はナゼ。DeNA大家友和コーチが語る練習方針の意図

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki
  • photo by Koike Yoshihiro

【連載】チームを変えるコーチの言葉~大家友和(2)

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 ブルペンでの投球練習は10分──。DeNAファーム(二軍)投手コーチの大家友和は、就任1年目からピッチングの時間を制限している。投げ込むのが半ば当たり前の日本プロ野球界では、なじみがない練習方針だ。そこにはどのような意図があり、どんな効果があるのだろうか。大家に聞いた。

就任時からブルペンでの投球を10分に制限している大家友和コーチ就任時からブルペンでの投球を10分に制限している大家友和コーチ「ちゃんと考えて、制限があるなかでちゃんと練習をやりなさいというのが意図です。制限すること自体に対して、選手がどんな考え方を持ってくれても構いません。ただ、その考えが間違っていなければいいということなので、選手との確認作業は必要になりますね」

 振り返れば、日本プロ野球界においても、過去には同様の方針が打ち出されたケースがあった。今から17年前にトレイ・ヒルマンが日本ハムの監督に就任した時、キャンプ時のブルペンでの球数を制限した。その3年後に広島の監督に就任したマーティ・ブラウンは、まさに「1日10分、50球」に制限したのだった。

 両監督とも、そうした方針を一軍キャンプで課した。そのため、球数多く投げ込んできた実績ある投手のなかには戸惑い、物足りなさを感じ、疑問を持つ者もいた。ファームだけで課している大家とは異なる。ただ、大家自身、現役時代にアメリカで同じような経験をしたという。

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