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松坂大輔、古巣への想い。ホークス、
ドラゴンズでは言わなかったこと (5ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Kyodo News

 だから松坂にしてみれば、ライオンズへの復帰を果たしたことが嬉しくないはずはない。それはホークスでもドラゴンズでも「死に場所を探しに来たわけではない」と言い切っていた松坂が、ライオンズへの復帰に際しては「現役の最後はここなのかな」と言ったことからも垣間見える。

 もちろん同時に、あと30勝の200勝をあきらめずに目指すとも言っているのだから、今シーズンを最後と決めているわけではない。

 古巣のライオンズに戻ることが叶った松坂は、そのことを「家に帰ってきた感覚」だと表現した。

「使っている施設もそんなに変わってないし、使いやすさも変わっていない。キャンプのなかでの動きはそれぞれ時代によって違うので、今日はわからないことも多かったですけど、やりやすい環境というのは久しぶりだなと思いました」

 ひとりだけ、白のユニフォームを着ることなく、初日のメニューを終えた松坂。千両役者というのはそういうものだ。

 そのことを本人に問うと、「あんまり練習の時に着るのが好きじゃないので」と照れ笑いを浮かべていたが、ライオンズに、そしてライオンズのユニフォームに誰よりも強い想いを抱く松坂にとって、白のユニフォームに袖を通す時にはそれなりの理由が必要なのだろう。その日は程なくやってくるはずだ。松坂は去年、ライオンズに戻るにあたって、こんなふうに話している。

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