広澤克実が誇るロス五輪の金メダル「アマチュア史上最高の試合をした」 (5ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Kyodo News

 僕らは宣銅烈のいる韓国に勝って、郭泰源のいる台湾に勝って、最後、マックやマグワイアのいるアメリカに勝って金メダルを獲得しました。僕は、ロサンゼルス五輪の日本代表は、日本のアマチュア史上最高の試合をしたと思っています。

 なので、オリンピックにプロの選手が加わるようになった今、僕にとってのアマチュア史上最高の試合は、未来永劫、あのロサンゼルス五輪の試合だということになります。でも、それでいいのかなと思うんです。僕は、プロはWBC、オリンピックはアマチュアのものでいいんじゃないかと思っています。

 だって、たとえばアメリカはオリンピックにメジャーリーガーを出さないんだから、最高のチームを送り込んでこないわけですよね。でもアマチュアなら、最高のチームを送り出せますよ。だったら野球は、アマチュアの最高を決めるのがオリンピック、プロも含めた最高のチームを決めるのがWBCというふうに決めればいいと思うんです。

 金メダルの重みは獲ったものにしかわからないとするなら、そういう僕たちがオリンピックの野球はこうであってほしいということを発信していかなきゃならないと思っているんですけど、その僕がもっとも訴えたいのが、「オリンピックはアマチュアで」というメッセージなんです。

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