広島ドラ2宇草孔基が大学で培った自信。新打法への挑戦が転機となる (2ページ目)
すると、その成果は秋に表れた。長打への欲を捨てたことで、確実性が増し、結果として長打も増えた。リーグ戦13試合で打率.333(57打数19安打)、長打は2本塁打を含む5本を記録。また走っても6盗塁をマークし、チームの12季ぶりの優勝に貢献した。
4年春も13試合で打率.339(56打数19安打)、4本塁打をマークし、侍ジャパン大学代表に文句なしで選出。日米大学野球では、MLB予備軍とも称される常時140キロ台後半から150キロ台のストレートを投げ込む米国代表の投手に対しても振り負けることなく、5試合で打率.333(18打数6安打)、3盗塁を記録するなど、アグレッシブな姿勢を貫き、優勝に貢献した。
「U-18で学んだことを糧に『今回は自分のいいところをどんどん出していこう』と思ったのがいい方向にいきました。気持ちや準備の面も含め、よかったと思います」
そして大学4年間での成長について、宇草は次のように語る。
「調子がいい悪いではなく、ひとつずつ積み重ねて、調子が悪いなりにも内野安打にしたり、ショートのうしろに打ったりすることもできるようになりました。本当の自信って、こういうことなんだとわかりました。調子うんぬんで野球をやらなくなりました」
大学最後の秋は40打数4安打と絶不調に終わったが、それでも宇草は胸を張る。
「学生野球最後のシーズンは、1日1日を区切って、悔いを残さないように常に新しい気持ちで臨むようにしていました。ひとりでいる時はしんどいと思うこともありましたけど、野球をやっている時は一喜一憂することなく集中できて、一生懸命、悔いなくやることができました」
ドラフト会議では「指名漏れもよぎった」と不安な気持ちで当日を迎えたが、本人も驚く"ドラフト2位"という高評価で広島から指名を受けた。広島の球団カラーも「自分に合っている」と宇草は言う。
「自分はすかして野球はできないタイプです。だから、たくさん練習するチームで、自分をさらけ出してイチから野球に取り組めそうだなって思うんです」
2 / 3