DeNAラミレス監督が巨人と阪神を分析。
負け越した理由と対策

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu

――続いて苦しい戦いが続いた阪神についてですが、昨シーズン(8勝17敗)やそれ以前の結果を受けてどんな対策を講じていたのですか?

「今シーズンは、阪神戦で結果を出している選手を中心に起用しました。とくにリリーフ陣では、対戦成績があまりよくない三嶋(一輝)と(エドウィン・)エスコバーの起用を控え、成績が悪くない国吉(佑樹)と山﨑(康晃)を積極的に当てていきました。それでも、そのふたりばかりを投げさせるわけにはいかないので、投手起用はさらなる対策が必要ですね」

――今シーズンの阪神は、得点数がリーグワースト(538)だったように、決して打撃が好調だったわけではなかったと思いますが。

「確かに打ち負けた印象はありませんが、阪神には近本(光司)選手をはじめとして足が速い選手が多く、走塁でプレッシャーをかけられてしまいました。そういったランナーが一塁にいると、二盗だけでなく、三盗までケアをしないといけませんでしたから。各ピッチャーのクイックに磨きをかけるなどして、そこを克服していきたいです」

――攻撃面に関してはいかがですか? 今シーズンは、これまで苦手としていたランディ・メッセンジャー投手との対戦が3試合で、藤浪晋太郎投手との対戦はありませんでしたが。

「阪神の先発投手に対しては、ある程度食らいつくことができていたと思います。ただ、強力なリリーフ陣を攻略することが難しかったですね。うちの出塁率の高い選手は走力があまり高くないですし、キャッチャーの梅野(隆太郎)選手の肩もいいので、必然とヒットを重ねて得点をするしかなくなります。ですが、あの投手陣に対して、シングルヒットだと最低でも3本を打たないといけないとなると厳しいですね」

――何か打開策はあるのでしょうか。

「走塁技術を高めることもそうですが、ランナーを送るべき時にしっかりバントを決める、進塁打を打つといった、基本となる攻めの精度を高めることに尽きます。それが他のチームとの試合でも生かされるでしょうし、阪神の攻守のデータも取れていますから、来シーズンはより期待感のある戦いを見せられると思っています」

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