門田博光、金田正一を偲ぶ「あの人が来て
暗いパ・リーグに花が咲いた」 (5ページ目)
そして最後に、門田は400勝投手が生まれた背景を口にした。
「金田さんや僕らがやっていた時代というのは、野球選手だけじゃなく、サラリーマンでも、今よりははるかに夢があった。誰でも本気になれば天下獲りができましたから。でも、今はそうじゃないでしょ。どこもきちっと当てはめるようになって、ちょっとやそっとじゃ突き抜けられない。結果を出せば福沢諭吉は入るけど、天下獲りはできん時代になったということ。だから"400勝投手・金田正一"は、あの時代のなかでこそ生まれたスーパーマンやったということでしょう」
アマチュア時代、ホームラン0本からプロ入り後、王貞治氏、野村克也氏に次ぐ歴代3位の567本塁打を放った門田もまた、あの時代だったからこそ球史に残る名プレーヤーになったのかもしれない。いずれにしても、天下獲りを夢見ることに困らなかった時代が、うらやましくも思えてきた。
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