赤星憲広が阪神打線と守備の弱点を指摘「新たな右打者の台頭が必要」
矢野燿大新監督のもと、昨シーズン最下位からの立て直しを図った阪神。シーズンを6連勝で締めて3位に浮上し、クライマックスシリーズ(CS)ではシーズン2位のDeNAを破るなど健闘した。
阪神のレジェンドOBである赤星憲広氏は、改革元年となったチームをどう見ていたのか。まずは、得点数とエラーで苦しんだ野手陣の印象から聞いた。
矢野監督の就任1年目のシーズンを3位で終えた阪神赤星憲広から見た今季の阪神【野手編】
――今シーズン、チームでの得点が538点のリーグワーストとなった、打撃面についての印象から聞かせてください。
「昨シーズン同様、打撃は物足りませんでしたね。規定打席に達した野手のなかで、打率が3割を上回ったのは糸井(嘉男)だけ。その糸井がシーズン終盤にケガで離脱してから、糸原(健斗)を5番で起用せざるを得なかったことからも、どれだけ戦力が苦しかったかがわかります」
――4番として期待されていた大山悠輔選手も、打撃不振で8月上旬から6番や7番で起用されることが多くなりましたね。
「力は出し切れなかったにせよ、大山はチームの本塁打(14本)と打点(76点)の二冠王ですし、不調に陥ったのも本人だけの責任ではないと思います。私の個人的な考えですが、4番打者の成績は前後の打者の活躍によって左右されると思っています。
今シーズンの巨人を見ても、4番の岡本(和真)の前には坂本(勇人)、広島からFAで移籍した丸(佳浩)がいて、後ろには阿部(慎之助)、過去に本塁打王を獲得した(アレックス・)ゲレーロなどが控えていた。岡本も昨シーズンに比べると成績を落としましたが、我慢して4番で起用することができ、2年連続で30本塁打を打ちました。とくにチームの4番を育てようとしている時には、前後の打者の並びが重要だと考えています」
――その点、阪神は大山選手を支える布陣が組めていなかったと。
「今シーズンの阪神の本塁打数は、巨人の約半分の94本(リーグ5位)。3番の糸井が5本、開幕から5番を打っていた福留(孝介)も本調子ではなく、ケガによる離脱もあって10本にとどまりました。徐々に(ジェフリー・)マルテが調子を上げ、シーズン終盤では大山に替わって4番を打ちましたが、彼は加入1年目の助っ人。長打の期待が大山だけにかかってしまうのは酷ですよ。来シーズンは4番とその前後を固定させることが急務。外国人助っ人など長距離砲の新戦力を補強できたら、大山を5番か6番で起用するのもアリだと思います」
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