西岡剛、トライアウトの締めくくりが
地元大阪で「考えるものがある」
「最後になるかもしれない」
「野球人生の区切りとして」
12球団合同トライアウトではこういった言葉を述べる選手が少なくないが、西岡剛が浮かべた表情、発したコメントはそれらとまったく異なるものだった。
「常にチャレンジしていきたいと考えているので、NPBでプレーしたいという思いがある以上、野球人生を続けていきたい」
トライアウトでは4打数2三振と結果を出せなかった西岡剛 笑顔はなかったが、「今日トライアウトに参加できたことに感謝したい」と語る表情は、昨年以上にすっきりとしたものに感じられた。
阪神から戦力外通告を受け、トライアウトに初参加した昨年も、多くの報道陣がプレーを終えた西岡を取り囲んだ。それは今年も変わらず、すべての対戦が終わり、球場を後にしようとする西岡の下に各メディアが殺到。今年もトライアウトの主役は、間違いなく西岡だった。
ロッテに在籍した2005、10年には日本一を経験。五輪代表、WBC日本代表への選出経験、11年から2年間のメジャー挑戦など、知名度、実績ともに、今回の参加者のなかで群を抜いた存在だった。
昨年のトライアウトでは、ロッテ時代の同僚である成瀬善久(今季はオリックスでプレー)から二塁打を放つなど健在ぶりを見せたが、獲得の意思を示す球団は現れなかった。
今年3月、ルートインBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスへの入団が発表された。昨年のトライアウト終了後、「野球を続けたいので、もちろん独立リーグという選択肢もある」と語ったとおり、1年間"独立リーガー"としてプレーした。
前期シーズンから打撃の好調さを保ち、存在感を発揮。今シーズン中のNPB復帰は叶わなかったが、最終的にはリーグ十傑入りの打率.335を記録。過去に胡坐をかくことなく、若い選手たちと汗を流す日々を送った。
「NPB復帰を目指しているならば、トライアウトに挑戦するべき」と、2年連続の受験を迷いなく決断。金を基調とした栃木のユニフォームに身を包み、大阪シティ信用金庫スタジアムに降り立った。
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