2019.09.21

「けっこう恥ずかしい」雄平語録。
コロコロ変わる打撃の形は探求心の証

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

 プロ17年目、打者に転向して10年。ヤクルトの雄平は、シーズンが開幕してから”ひとり早出ティーバッティング”を習慣としてきた。喜怒哀楽が詰まった練習風景は見ていて飽きることなく、石井琢朗打撃コーチの言葉に、雄平の本質が表れていた。

「おい雄平、おまえは継続する力があるから大丈夫だよ。でも、毎日バッティング練習してあきない? オレはあきる(笑)」

 昨シーズン、雄平はキャリアハイとなる打率.318を記録したが、今年は8月を迎えるまで打率は2割6~7分を行ったり来たりしていた。「打てないなぁ」という言葉が、早出前のあいさつのようになっていたが、スイングはいつだって力強く、雄平が放つ言葉にはユーモアがあふれていた。

打者に転向して10年目のシーズンを迎えた雄平「(昨日は)謙虚にレフト方向に打っていれば……。欲に負けてはいけない。右の壁を崩さないように。ガマン、ガマン」(5月8日)

「全然打てない。右のオーソドックスな投手も打てない。ストライクを見逃して、ボール球を振っちゃう。いい風が吹いているけど、僕の出番はないだろうなあ」(5月26日)

「打てないなぁ。チャンスで打てない。昨日も最後は……あそこは四球をもらってもよかった。打つことしか考えていないからダメですね」(6月19日)

「うまくいかないなぁ。昨日も悪くはなかったんだけど……。でも、きっといいことはある。そのために(フォームを)変えないで続ける」(6月21日)

「試合出られますかね? 代打かなぁ。でも昨日はヒットに四球も選べたのでよかった。早く3割にしたい。そうすれば先発で使ってくれる。ようやく、いろいろやってきたことが、ひとつの線になろうとしている」(6月24日)

 今回、この”雄平語録”を本人に伝えると、「そんなこと言っていましたか……けっこう恥ずかしいなぁ」と苦笑いして、この時期の心境について語ってくれた。

「7月までは打てそうで打てなかったですね。打席での感覚が、もうひとつしっくりきてくれない。原因はわかっていても、うまくいかないもどかしさ……ずっと模索していました。それができれば調子の波を小さくすることができるのですが、そこが難しい。結果的に、ひとつの線には全然つながっていませんでした。それを感じたのは8月ぐらいですね」