2019.02.13

巨人・高田萌生が「松坂大輔を卒業」。
防御率27.00から逆襲する

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 防御率27.00。それが、有望な若手右腕が2018年に残した一軍成績だった。

 今季高卒3年目を迎える高田萌生(ほうせい/巨人)は、原辰徳監督も資質を絶賛するほどのホープである。昨季はイースタン・リーグで11勝2敗、防御率2.69。最多勝利、最優秀防御率、最高勝率.846とタイトル三冠を獲得した。

今シーズン、プロ初勝利を目指す3年目の巨人・高田萌生 150キロを超える快速球に、松坂大輔(中日)を参考にした流れるようなフォーム。変化球の扱いもうまく、投球センス抜群。そんな若武者が「試練」を味わったのは、2018年7月29日、中日戦でのことだった。

 プロ初登板、初先発。東京ドームに集まった4万4千人の大観衆の前で、高田はマウンドに上がった。しかし、先頭の京田陽太にセンター前ヒットを許すと、続く亀澤恭平、大島洋平にも連打を許して早くも失点。さらにビシエドの四球を挟んで、平田良介にはライトへタイムリー。その後も流れを止めることはできず、2回を投げて6失点でマウンドを降りた。まさに「めった打ち」だった。

「あの試合は自分の悪いところしか出なかったので、正直言って手応えとか、いい部分を見つけることすらできなかったですね……」

 高田が肌で感じた「一軍の壁」は何だったのか。それは目に見えないものだった。

「もちろん僕のレベルが足りなかったことはあります。でも、僕が感じた一軍と二軍の一番の違いは雰囲気なんです。といっても、お客さんの数ではありません。ファームのジャイアンツ球場だって二軍としては集まるほうだし、高校時代に甲子園でお客さんがたくさんいる前で投げたこともあります。でも一軍にはスタンドの人数だけじゃない、独特の雰囲気がありました。あの雰囲気のなかで一軍のバッターに対して力を出し切れていれば、もっとやれたと思います」

 高田は2016年ドラフト5位で巨人に入団した。当時、一部では高田の指名順位の低さに驚きの声をあげる者もいた。3年時には甲子園に春夏連続出場し、最速154キロを計測。ドラフト前には「2位までに消える」と語るスカウトもいた。