侍ジャパンの打撃投手もビックリ。
柳田悠岐や岡本和真らの本当のスゴさ

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

 日本代表の5勝1敗で幕を閉じた日米野球。投手陣の頑張りはもちろんだが、終盤までリードされていても試合をひっくり返す打撃陣の奮起が目立った大会になった。

 今回、日本代表の打撃投手のひとりとして、中日ドラゴンズで打撃投手を務める久本祐一が帯同した。現役時代は中日ドラゴンズ、広島カープのリリーフとして活躍し、「Aクラス請負人」とも呼ばれた男から見た、侍ジャパンの打撃陣のスゴさとは。

日米野球第1戦でサヨナラホームランを放つなど活躍した柳田日米野球第1戦でサヨナラホームランを放つなど活躍した柳田──今回、侍ジャパンの打撃投手に配属されたきっかけは?

「夏の終わりごろに、球団から日本野球機構(NPB)が打撃投手を募集している話を持ち掛けられて、さまざまなことを『学びたい』と思いお願いしました。書類審査があるとのことで、監督推薦(当時・森繁和監督)として提出し、どんな基準などがあるのかなと思いながら報告を待ち、10月に審査が通って配属となりました」

──打撃投手の構成はどうなっているのでしょうか?

「私と同じ左投手では、ロッテからひとり。右投手は広島と巨人からひとりずつの計4人になりました」

──練習方法は?

「フリーバッティングは、各バッターを時間で区切るのでなく"回し打ち"というやり方で、5球打ったら待機している打者と交代し、それを5周ほど繰り返します。球の速さやコースのリクエストは特にありませんが、ほとんどの選手は1、2周くらいまで反対方向に打っていくので、最初は外角中心に、回を重ねるにつれて内角中心に投げるようにしました」

──久本さんから見て、一番スゴいと感じた打者は?

「やはりソフトバンクのギータ(柳田悠岐)ですね。打球の飛距離、選球眼、あのスイングに耐える体の強さ、走力を含めた身体能力......。『幻想的』と言える域に達しているのではないでしょうか(笑)。驚きました」

──セ・パ両リーグを代表する若き4番打者、西武の山川穂高選手と巨人の岡本和真選手の印象は?

「あらためて、飛距離に魅力がある選手だと思いました。山川はチームの先輩である中村剛也の、(ボールに)スピンをかけるバッティングを参考にしたのでしょう。打球が高く上がるようになりましたね。また、西武のチームメイトである森(友哉)の、低めのボールに近い球をすくい上げて飛ばすパワーも圧巻でした。聞いたところによると、西武の選手はウェイトトレーニングを積極的にはせず、とにかくバットを振り込む練習で鍛えているそうです。岡本については、太もものデカさが『ヤバい』と思いました(笑)。あの好成績が残せる理由のひとつは、あの太ももにあったんですね」

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