ヤクルト進撃の裏に早出練習あり。「1年中キャンプ」で力も自信もUP (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

1組目:西浦、奥村、廣岡、山崎晃大朗、大村孟
2組目:鵜久森淳志、井野卓、中村悠平、荒木貴裕、田代

 まず1組目がティーバッティングとソフトボールを使用した連続ティー(20球を5セット)。それが終わると5カ所に分かれてのバッティング練習となる。

 メニューは、宮出コーチが投げるフリー打撃、変化球マシン相手のフリー打撃、石井コーチが投げるショートゲーム(短い距離から投げるバッティング練習)、杉村繁巡回打撃コーチが担当するロングティー、マシン相手に空振りを繰り返す練習の5種類。それぞれ1メニュー5分をローテーションで回す。

 2組目も同じ内容だが、フリー打撃のピッチャーが宮出コーチから宮本慎也ヘッドコーチに代わる。

 ちなみに、石井コーチは「試合に出る主力は早出で量は振らせませんでした」と話したが、この日の早出終了後には、山田哲人、川端慎吾、青木宣親が個人的に早出に参加し、バットを振り込んだ。

 練習時間自体はきわめて短く、5人で回す時は約25分、6人の時は30分、最大の8人の時でも40分。とはいえ、休憩はほとんどなく、ひたすらバットを振り続けるなど、中身は濃い。さらに、この練習を一層ハードにさせたのが、この夏、日本列島を襲った猛暑だった。「外の方がマシだ」と選手たちが口々に言うほど、室内練習場は猛烈な熱気が立ち込めていた。

「まだバットも振っていないのに、もう汗がこんなにすごいです」

 雄平は、玉のような汗が吹き出しているたくましい二の腕を見せて笑った。5月26日から"チーム早出"に参加していた雄平はこう語る。

「僕のなかでは、試合に出場しながら......ということもあったので、ものすごくきつかったですね。この夏は、一度体力を使い果たすぐらいのきつさでした。でもここまで頑張れたのは、(石井)琢朗さんの『いま振っておくことで、それが夏場以降に生きてくるから』という言葉があったからです。実際に夏場はきつかったですけど、打席で振れていることが実感できましたし、最後まで振る力は落ちなかったですからね」

2 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る