2018.09.15

逆転優勝を狙うホークス。好調な
千賀と石川を支えるトレーナーの教え

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 繁昌良司●写真 photo by Hanjo Ryoji

 平成最後のペナントレースで、史上最大級の逆転ドラマは起きるのか――。

 パ・リーグの首位争いである。目覚めた鷹が逃げる獅子を狩るかもしれない。夏場以降、福岡ソフトバンクホークスが首位を独走していた西武ライオンズを猛烈に追い上げている。8月11日時点で最大「11.5」あった両リームのゲーム差はみるみるうちに縮まった。

8月に4勝0敗、防御率0.86の好成績を挙げ月間MVPに輝いた千賀滉大 プロ野球の歴史を振り返っても、10ゲーム差以上を逆転して優勝した例は7回あるが、うち6回は最大ゲーム差をつけられたのが7月以前だった。唯一、2011年の中日が8月3日の時点で10ゲーム差あり、そこからひっくり返したことがあったが、その年は東日本大震災の影響で開幕が4月中旬までずれ込んでいた。

 ソフトバンクと西武の「11.5」のゲーム差も含めて考慮すれば、プロ野球史上空前の「メークドラマ」となる可能性もあるのだ。

 戦力が整えば、やはり王者は強い。今季は投打の主力に「これでもか」というほど離脱者が相次いだが、ここにきて軸となるべき選手が本来の働きを見せている。なかでも、エース格である千賀滉大(こうだい)が復調したことが大きい。

 猛追開始となった8月、千賀は4試合に先発して4勝0敗、防御率0.86と会心のピッチングを見せた。17日のオリックス戦では、これまで達成していないのが意外だったが”プロ初完封”も飾った。

「完封は正直、意識していませんでした。あの試合は点差(9-0)も開いていましたし……それよりも上位を相手に、しかもどちらもカード初戦で勝てた試合の方が大きかったと思います」

 千賀が挙げた試合は、10日の日本ハム戦と24日の西武戦だ。とくに西武戦では、3年連続2ケタ勝利となる10勝目を挙げた。

「中継ぎで勝っている人もいますからね。”石川柊太様”には勝ちたい」

 千賀は対戦相手よりも自分自身と戦うタイプだ。「フォームやコンディションが自分の感覚と合っているかどうか」を常に気にかけている。