逆転優勝を狙うホークス。好調な千賀と石川を支えるトレーナーの教え (4ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 繁昌良司●写真 photo by Hanjo Ryoji

 うで体に合った体の使い方を教わった石川は、それからたった数分後で驚くべき変化が出た。それまで高めにしかいかなかったボールがバンバンと低めに決まる。しかも球威は変わらず、グンと伸びる球筋だ。

 あし体の投手に適したフォームとは――これもあくまで一例だが、次のようになる(右投手の場合)。

・始動は上半身から。ラインは左肩で作る

・グラブを体から離して懐を作っておく

・トルネードのように左足を上げる

・手の位置は高く、体から離して大きく回すのがポイント

・最初から100の力を貯めておく

・左足はインステップせずに真っ直ぐ着地。かかとからつま先へと着いていく

・腰は縦回転

・右腕は大きく振る。「腕を振る」ことが大切

・投げる際、グラブは小指に力を入れ、リンゴをもぎるように引き寄せる

 また、ボールは通常の握り方。テイクバックを大きくとるにはその方が適しているとされている。

 そして育成選手時代は右肩などの故障で苦しんだことも成長の妨げになっていたが、この2年間は大きなケガをすることなく第一線で活躍を続けている。

「自分を知り、自分の進むべき道を見つければ、人は自分の能力の中で一気に成長を果たしていくのです」(鴻江氏)

 さて、ソフトバンク逆転Ⅴの奇跡の使者となるべく、千賀と石川がこれから迎える大一番でどんな投球を発揮するのか。

 西武との直接対決は9月1517日、2729日(いずれもメットライフドーム)、10月6日(ヤフオクドーム)と、まだ7試合残っており、球史に残る天下分け目の大決戦として盛り上がること必至だ。

 『あなたは、うで体? あし体? 3秒で体がわかる、人生が変わる』

鴻江寿治(こうのえ・ひさお)著

人はみな、「うで体(猫背型)」「あし体(反り腰型)」の2種類に分かれている──。松坂大輔、千賀滉大、上野由岐子など一流アスリートに寄り添ってきたカリスマスポーツトレーナー・鴻江寿治(こうのえ ひさお)氏が、独自の「骨幹理論」を一般の人々に応用した初めての書籍。

【発売日】2018年9月14日

【発行】集英社

【定価】本体1400円+税

【著者プロフィール】

1966 年福岡県生まれ。学生時代に肩を故障したのをきっかけに、さまざまな施術 を勉強し、自ら復活。その後、トレーニングのノウハウを学び、「鴻江理論から生 まれた骨幹理論」を確立した。現在、野球、ソフトボール、ゴルフ、バレーボール、 陸上、サッカー、相撲、格闘技などのトップアスリートのアスリート・コンサルタ ントとして活躍中。WBC第1 回・第2回日本代表チーム、アテネオリンピック野球・ バレーボール女子日本代表チーム、トリノオリンピックスピードスケート日本代表 チーム、北京オリンピック野球・ソフトボー ル・バレーボール男子・女子日本代 表チームに、パーソナルトレーナーとして帯同。

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