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リリーフ三嶋一輝に迷いなし、自信あり。
150キロ台連発で奪三振率が凄い (2ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 そんな三嶋の状況が一変したのが、昨シーズンだった。

 6月8日の楽天戦でシーズン初先発を果たすが、5回8失点と乱調によりマウンドを降りると、以降、リリーフへと配置転換された。入団以来、先発を務めてきた三嶋からすれば、ある意味、首脳陣からの最後通告だった。

 7月27日の阪神戦でリリーフとしてマウンドに立つと、以後、三嶋は15試合登板し、チームのAクラス残留に貢献した。短いイニングだからこそ、しっかり腕を振り切って投げた。球速は150キロを超えた。

 三嶋は「ここ2、3年で一番自分が思うようなボールを投げられている」と手応えを感じていた。

 今シーズン、いきなり復調したように語られることが多いが、実は昨シーズン後半に復調の気配はあった。三嶋は言う。

「今年、結果が出ているからといって何をしてきたのかフォーカスされますが、特別なことをしてきたわけではないんです。毎年、毎年、僕はよくなろうとしているわけですから」

 地道に体幹トレーニングに励み、可動域を広げ、柔軟性を高めるなど、日々重ねてきたことがようやく実を結んだということなのだろう。

 そんな三嶋の変化を一番感じているのが、キャッチャーの嶺井博希だ。一昨年と昨年前半、嶺井は三嶋とともにファームで苦しい時間を過ごしてきた。

「どうすれば抑えられるのか、いろいろと話してきました。試行錯誤の連続でしたが、その積み重ねが結果として出ているのではないでしょうか」

 嶺井は好調の原因が何かはっきりとはわからないと言うが、キャッチャー目線で一番に感じる部分を次のように教えてくれた。

「マウンドで迷いなく、自信をもって投げています。ピッチャーにとって一軍で抑えることってすごく自信になるんですよ。一番はストレート。負けないボールだし、三嶋さんの持ち味。ゾーンのなかではもちろん、コースを狙っても大丈夫です」

 今季の三嶋は、150キロを超えるストレートで打者を追い込み、キレのあるスライダーで三振を奪うというパターンを確立した。奪三振率10.76はリーグトップクラスだ。

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