2018.05.25

鳥越コーチが力説。ホームランを打つより、
落ちているゴミを拾える人間に

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki
  • photo by Kyodo News

【連載】チームを変えるコーチの言葉〜千葉ロッテマリーンズ ヘッドコーチ・鳥越裕介(3)

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 3・4月は12勝12敗、勝率5割で乗り切った今季のロッテだったが、5月に入り負けが込み出したところで、球団はコーチングスタッフの配置変更を発表。一軍ヘッド兼内野守備走塁コーチだった鳥越裕介はヘッド専任となった。

 この変更に伴い、試合で攻撃中の鳥越の役割は一塁ベースコーチから井口資仁監督のサポート役に変わり、ベンチで作戦面を支えている。

ロッテの選手は普通のことができる選手が揃っていると語る鳥越コーチ(写真左) 開幕前、「そんなにうまくいかないでしょう。まあ、よく負けると思います。でも、思わぬ連勝したりすると思いますよ」と言っていた鳥越だが、あらためて、チームをどう変えていこうとしているのか。
 
「まず大前提として、みんなプロなんで。選ばれて入ってきているんだ、っていうことを常に自覚してプレーしてほしい。その点、僕が最初にこのチームを見て感じたのは、選手たちが練習のときから失敗しないように、当たり障りのないようにやっているな、ということでした。これは要するに、今の若い世代独特の姿勢なんでしょう。なんでも怒られないようにやる、みたいな。『でも、それは違うだろ?』って」

 若い選手たちが変に優等生になっている――。そのように感じた鳥越は、プロとしてパフォーマンスを上げるためにどうすべきなのか、選手たちに説いた。

 技術を高めるためには、いかにたくさん成功するかが大事になる。その途上では失敗するリスクもあるけれど、失敗から学ぶこともたくさんある。だから、どんどん失敗して経験値を上げなければいけない。例として盗塁を挙げ、こう言った。

「スチールひとつ、失敗しないためには走らないのがいちばんいいんですよ。でも、走らないとセーフかアウトかもわからんし、そこの経験値がないと技術は絶対に上がらない。確かに、スチールするなかではけん制でアウトになることもある。でも、そういうミスも乗り越えていかないと、本当のプレッシャーがかかったゲームでスタート切れないでしょ? だから、今のうちにどんどん行きましょう」