今季ベイスターズは「迷ったらゴー!」。
スーパーカー以来の走塁革命 (3ページ目)
特筆すべきは、盗塁のスタートにある。上田コーチは神里の特性を「スムーズにスタートが切れる点」だと語る。
「行こうと思ったときに、ピッチャーの動きに素直に反応し、しっかり体に伝わる。ほかの人にはなかなか真似できない、神里の優れた部分だと思います」
神里に話を聞くと、「実は、スタートは苦手でした」と意外な言葉を口にした。
「以前は苦手でしたが、社会人時代に時間をかけて練習したことや、プロのキャンプで学んだことがようやくカタチになったということなんでしょうね。コツもつかみましたし、迷いがなくなりました。
今はクイックへの適応というよりも、イメージとしては"ピッチャーが動いたら行く"というシンプルなものです。自分のスタートを信じるしかないですし、監督やコーチからは『思い切って行け』と言われているので、失敗を恐れずにプレーすることができています。走塁は自分にいちばん求められているものですから、チームの期待に応えたいですね」
ラミレス監督はこれからの戦いについて、次のように語る。
「シーズン前はチームとして70~80盗塁を目標にしたいと言いましたが、今の数字を見ると100盗塁も決して夢ではない。仮に100盗塁できれば、40~50点ぐらい得点は上がる。やはり、盗塁はリーグ優勝するために必要なものです」
昨年の広島の盗塁数は112個。広島を倒し、20年ぶりの優勝を達成するためにも盗塁は重要なファクターであることは間違いない。
韋駄天・梶谷も一軍に復帰。いよいよDeNAの"走塁革命"は本格化するのか。かつて1985年に横浜スタジアムを駆けめぐった"スーパーカートリオ(高木豊=42盗塁、加藤博一=48盗塁、屋鋪要=58盗塁)"を超えるような、熱い走りに期待したい。
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