2018.05.01

サファテにかけた1本の電話が
「ジャクソンスマイル」の危機を救った

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • 西田泰輔●写真 photo by Nishida Taisuke

"ジャクソンスマイル"はカープファンだけを酔わせるわけではない。

 ランディー・'ジェイ'・ジャクソンは、2016年に広島カープと契約して以来、その気持ちのいい笑顔でファンを魅了してきた。

広島のリリーフ陣にとってなくてはならない存在のジャクソン ファンにとって最高の瞬間は、相手に得点されそうな場面でジャクソンが三振を奪いピンチを脱するとき。そしてマウンドで見せる厳しい表情が一瞬にして笑顔に変わり、ベンチへと戻っていく。その屈託のない笑顔は味方のみならず、ライバルチームの選手さえも魅了した。

 福岡ソフトバンクホークスで絶対的守護神として活躍するデニス・サファテもそのひとりだ。今季は残念ながら右股関節手術のため長期欠場中だが、ジャクソンにとってサファテは偉大な先輩であり、師匠とも呼べる存在である。

 2016年にセットアッパーとして67試合に登板したジャクソンは、カープ25年ぶりのリーグ制覇に大きく貢献した。しかし翌年、突然の不調に陥ってしまう。この状況からどう脱出するか考えたとき、ジャクソンはひとつの結論に達した。

「日本でいいリリーフ投手になるには、現在日本で活躍している最高のリリーフ投手に相談するのがいいと思ったんです」

 そこで、それまで面識はなかったが、ジャクソンは思い切ってサファテに電話をかけた。

 サファテは2011年に来日し、広島、西武、ソフトバンクでプレー。昨年は日本プロ野球記録となるシーズン54セーブを挙げ、最優秀選手(MVP)や外国人選手として初となる正力松太郎賞を受賞するなど、輝かしい実績を残している。

「彼(サファテ)は日本に来て、大成功を収めた選手のひとりです。どんなことを考えてプレーしているのか、数々の記録はどのように達成したのか。また、いつもコンスタントにいい成績を残せている理由についてなど、いろいろ聞いてみたいことがありました」

 サファテはジャクソンからの突然の連絡を快く受け入れ、1時間以上も相談に乗り、「いつでも連絡してくればいいから」と伝えた。その後もジャクソンは何度もサファテと連絡を取り合っているという。