稲葉ジャパン、東京五輪の秘密兵器は「アップルパンチ&キン肉マン」 (3ページ目)
一方、投手陣の「秘密兵器」は石崎だ。過去の侍ジャパンでは渡辺俊介(元ロッテ)や牧田和久(サンディエゴ・パドレス)という日本独特の変則投手が力を発揮してきたように、データの少ない国際舞台ではオリジナリティが武器になる。
2014年ドラフト2位で新日鐵住金鹿島から阪神に入団した石崎は昨季、夏場に一軍昇格すると26試合で防御率1.17の大活躍を見せた。サイドスローとスリークオーターの間のような位置から右腕を思い切り振り抜き、球速150キロ台のストレートがうなるようにキャッチャーミットに飛び込んでいく。藤川球児に憧れて「火の玉ストレート」を研究したという石崎は、呉昇桓(オ・スンファン/トロント・ブルージェイズ)の「石直球」に勝るとも劣らないほどの剛球投手だ。
今年の春季キャンプでブルペン投球を視察した解説者の江夏豊氏は「2代目・桑原謙太朗」とブレイクを期待し、自主トレを一緒に行なった藤川は筋骨隆々の姿から「キン肉マン」と呼んでいるという(「SANSPO.COM」より)。豪腕右腕には稲葉監督の信頼も厚く、今季、東京五輪前に全国区になるかもしれない。
その他のU24組では左腕投手の堀がスペシャリティ枠、外野と一塁、そして二塁挑戦中の松本がマルチロール枠として期待される。
加えてU24組以外の両枠では、投手ではルーキーイヤーの昨年、46試合で防御率1.03と安定感抜群の左サイド投手・高梨雄平(楽天)が抜擢された。宮西尚生(日本ハム)に続く左のスペシャリストが台頭すれば、侍ジャパンにとって頼もしいかぎりだ。
野手で注目されるのは、2013年に平成生まれで初の打点王に輝いた浅村栄斗(西武)。本職のセカンドでは菊池、山田と双璧がいるなか、浅村も総合力で負けていない。内野ならどこでもこなし、外野も守れるマルチロールでもある。
28選手の3分の1を占めるU24組を中心に、若いメンバーの多い今回の侍ジャパン。国際経験を積んで成長したU24組がスパイスからメインディッシュへ、あるいは秘密兵器から主役になったとき、東京五輪で侍ジャパンから数々の流行語が生まれ、最高の結果を掴み取るはずだ。
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