防御率162.00からの逆襲。
カープ左腕はOB大野豊の再来となるか (3ページ目)
今オフは、前回のオフ同様に中崎とともに合同自主トレを行ない、例年よりもハイペースで仕上げる先輩よりも早く塹江は調整した。
「昨年は春季キャンプ序盤にピークが来て、そこから落ちていった印象がある」
キャンプ前に一度ピークを作り、実戦が増えるキャンプ終盤に再びピークを持ってくる。それが、その先に待つ開幕一軍入りへのプランだ。
わずかキャンプ3日目にリタイアとなった一昨年から、昨年はオープン戦まで帯同した。年数を積むごとに春季キャンプでの成果は積み上げている。
もう勢いだけではなく、地に足をつけて一軍の春季キャンプに臨む。
「自分の魅力は速い真っすぐなので、そこを取り戻して、もう1回やる」
勝負の4年目は原点回帰。最大の武器に磨きをかければ、スライダーやチェンジアップも有効になる。左腕不足解消の一翼を担うため、失敗も悔恨も、飢餓感もすべて、力に変えて塹江敦哉は前に進んでいく。
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